その他眼の病気
「見えない」「見えづらい」「目がおかしい」
小さな不安の原因を眼科受診でしっかり判断
加齢黄斑変性
50代以上で最近増加傾向にあるのが、眼底中央の黄斑部が障害される「加齢黄斑変性」です。視野中央が歪んだり黒く見えたりなど、中心視力に直接影響する症状が出てきます。さらに進行すると色も判別できなくなり、著しく視力が低下します。急激に視力が低下する「滲出型」と緩徐に症状が進行する「萎縮型」があり、それぞれで対処法が異なります。
病態は加齢による黄斑下組織の破綻に起因する新生血管からの漏出ですが、喫煙習慣や栄養状態の乱れなども関連しているといわれています。世界規模の調査結果によると、サプリメントが有効とされています(当院で販売しています)。
滲出性に対する治療としては、眼球内の硝子体に薬液を注入する「硝子体注射」や腕から薬剤を注射して眼底に特殊な光を当てる「光線力学療法」などがあります。ただし依然として治療の難しい疾患であり、高齢者の失明原因として近年増加傾向にあります。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜疾患の中でも特にお困りの方が多いのが「花粉症」です。花粉症は患者さんの体質によって症状が現れる時期は異なりますが、最も多いのが春先のスギ花粉の時期です。
花粉症の主な眼症状はかゆみや異物感などで、ひどくなると日常生活にも支障をきたしてしまいます。症状が悪化してからでは薬が効きにくいため、現在は花粉が飛散する約2週間前から抗アレルギー薬などを点眼するよう推奨されています。
春季カタル
上まぶたの裏に大きなブツブツが多数でき(石垣状乳頭)、激しいかゆみや痛みを伴う重症型のアレルギー疾患で、小中学生などの若年者に時々見られます。
治療法としては、抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬、免疫抑制剤点眼薬、無効例では結膜下注射や内服、さらには結膜乳頭切除術などがあります。
翼状片
鼻側の結膜(白目)が角膜(黒目)に侵入する疾患です。
外観上自ら発見しやすく、充血や異物感などの自覚症状もあります。
緊急性はなく一般的には点眼薬による保存的治療を行いますが、大きいものでは強い乱視が発生することもあり、また美容上の問題もありますので、根治手術の適応となります。
糖尿病網膜症
糖尿病で高血糖の状態が続き、網膜の毛細血管内皮が障害されて出血をきたす疾患です。糖尿病の発病後数年を経てから発症することが多く、初期段階は自覚症状に乏しいのですが進行すると硝子体出血や黄斑浮腫、牽引性網膜剥離などを生じ、急激に視力が低下します。発見が遅れると、最悪の場合は失明に至る可能性もあるので、定期的に眼底検査を受けることが重要です。
飛蚊症
まるで蚊が飛んでいるかのようにホコリ状のものがチラつく症状のことであり、特定の疾患名ではありません。主に硝子体の混濁が原因で、生理的なものについては問題ありませんが、網膜剥離や硝子体出血など重篤な疾患の兆候として現れることもありますので、念のために一度検査を受けることをおすすめします。